1.TOKYO Prideについて
(1)代表理事挨拶、(2)新任理事紹介及び選任の背景(中田たか志・代表理事):
実行委員長個人への責任が非常に重くなってしまったので、TLGP2007(仮称)では理事会が分担して実行委員長の役割を果たすことになった。これに伴って理事会の人数も新たに3名増員した。個人経営から法人経営への移行というイメージである(その後、新任を含めて理事全員の挨拶)。
(3)TOKYO Pride総会日程案(中田):
会場の都合もあるので確定ではないが、2007年2月25日(日)を第一候補に総会開催を予定している。現在、会則や会員制度について検討中であり、その際には発表して決めることができるようにしたい。
2.TLGP2007(仮称)について
(1)実行委員会の体制(おかべよしひろ・理事、TLGP2006実行委員長):
従来は、実行委員を探すに当たって、人づてというルートであった。その延長として実行委員長も見つけていったが、責任の重さや本職との兼ね合いなどからそれは難しくなってきた。TLGP2007(仮称)は、先ほど中田さんから報告があったように、実行委員長を置かず、TOKYO Pride理事会で色々話し合いながらやっていくことになった。TLGP2006でも実行委員長が常に理事会と相談しながらやっていたので、TLGP2007(仮称)はその流れで移行する。実質的に大きく変わるというわけではない。理事会にて、複数名で決定した方が誤りも少ないだろう。実行委員会の部門編成は、一部再編があるかもしれないが、基本は今年と大きく変化しないことになると思う。
(2)TLGP2007(仮称)開催日程(おかべ):
今日が日程について初めての発表となるが、来年の開催日程は8月11日(土)。お盆と重なることについては、「お盆なので地元を離れられない」「移動代や宿泊費が高い」という変更を希望するご意見や、「お盆休みなので上京しやすい」という賛成のご意見の双方をいただいている。運営側としてはお盆を避けた方が良いのではないかという意識もあるが、お盆を除く8月の土曜日は数多くのイベントが殺到する。お盆は競合するイベントが少ないため、8月の他の週末をめぐって抽籤で負けると、お盆の時期になりやすいという実情がある。8月最終週は「よさこい」が入るため無理で、9月に入るとレインボーマーチ札幌と時期的にバッティングするという事情もある。
(3)実行委員会の選出方法(おかべ):
先ほども申し上げた今までの人づて方式では、多様な人材を見つける上で限界がある。また、様々な人材を探していく上でTOKYO Prideという運営母体ができ、徐々に土壌ができつつあるのかなと思う。そこで、来年のパレード実行委員については、2000年以降のTLGPでボランティアまたは実行委員の経験がある方の中から、希望のある方に手を挙げていただいて、TOKYO Pride理事会が委嘱をするという形にしたい。応募人数が非常に多数の場合は、応募いただいた方全てというわけにはいかないかもしれない。また、応募人数が極端に少ない場合は追加でこちらから依頼をする場合もあるとは思うが、まずは希望者に手を挙げていただきたい。
公募の日程については、2006年12月1日にTOKYO Prideのホームページにて公募要領(メール・インターネット環境(携帯のみは不可)、実行委員会への参加可能性など)とあわせて発表させていただく。約2週間の公示期間を経て、現時点では12月20日に第1回実行委員会を開催する予定だ。また、実行委員になっていただくには、後日正式決定するTOKYO Prideの議決会員になることも条件になる予定。この点も12月1日にホームページにて発表させていただく。
事務局から補足(福永真美・理事):
12月1日に公募要領などを出す。TOKYO Prideの会員であること、実行委員会への参加が可能であること、パソコンのメール環境があることなど、公募資格もそのときに示す。その後、2週間ほどで選考させていただく予定。12月20日に第1回の実行委員会を開催する。
フロア(砂川):
パレード開催時期について、これまでの経緯について補足したい。暑い夏に開催することは、体力のない人に対しての配慮がないという批判も聞かれるが、春や秋などの良い季節は人気があるので、競争率が高くなって場所が取りにくくなってしまう。結果的に夏にならざるを得ないという事情がある(理事会より注:砂川さんは、今年9月までTOKYO Pride代表理事(現在は理事を退任))。
おかべ:
警察へ申請を行なうためには、集合場所と解散場所を確保していなければならない。その必要性から代々木公園のスケジュールに依存せざるを得ない。他の地域、例えば新宿には相当する利用可能な公園がない。日比谷公園は利用できるが官庁街であり、官庁街で休日にパレードをする意味は薄い。
3.パレードの名称に関する意見交換
(1)背景説明(野宮亜紀・理事):
現在は東京レズビアン&ゲイパレード(TLGP)という名称だが、名称は変えてはどうかという意見もいただいている。そこで、本日は参加者の皆様からの意見をうかがうという機会を設けた。今日、名称について決定するということではなく、今後も継続して名称について意見交換する機会をTOKYO Prideとして作っていきたいと思う。そこで、名称について意見交換をする前に、これまでの背景について説明したい。
2000年の名称決定時点では、実行委員はレズビアン&ゲイが中心であった。名称は、レズビアンやゲイとしてのアイデンティティを尊重し、参加者、スポンサーなどからわかりやすく、協力を得やすい名前ということで決定されたと聞いている。その後、トランスジェンダーやインターセクシュアルなどの実行委員なども加わり、運営側において名称については時折議論となっていた。
名称について、特に外部から伝え聞かれる意見では、「レインボー」や「プライド」などの名称に変えてはどうかというものがある。これは、レズビアンやゲイ以外のセクシュアルマイノリティが参加しやすいように、また、実際に参加しているという主旨からだと思われる。
実際問題として、名称を変えるとすれば、メリットだけではなくデメリットもあると思う。当然、今のままでもメリットとデメリットがある。絶対的にどちらがよいという問題ではなく、TOKYO Pride理事会としては「変えなくてはいけない」とも思っていないし、「変えてはいけない」とも思っていない。理事会としては、今後、継続的に広く意見を収集していきたいと思っているので、その一環として今日、ここで意見交換会を行なうことにした。この場の議論だけで何かが決まるというわけではないが、皆さんの意見をぜひ伺いたい。
(2)意見交換
フロアA:
名称を維持する場合、変更する場合に考えられる具体的なメリット・デメリットをお聞かせ願いたい。
野宮:
現状の名称を維持する場合のメリットとしては、レズビアン&ゲイのアイデンティティを持つ人にとっては参加しやすく、共感しやすいということが考えられる。また、第三者がすぐに理解できるということで、沿道などへのアピール力が高い。さらに、実務上(営業面など)も、同じ名前である方がこれまでのパレードとの継続性が明らかであるという利点もある。
名称を変更する場合のメリットとしてまず考えられるのは、レズビアン&ゲイ以外のセクシュアルマイノリティが参加しやすく、一体感も生まれるということである。また、これまでHPやガイドブックなどで公式に打ち出してきた「多様性」というメッセージと名称が一致することになる。さらに、ホモフォビアのある人や世間体を気にする組織(一般企業や行政など)に対して交渉がしやすくなるかもしれないという点も挙げられる。
他方、デメリットというのは、各々のメリットの裏返しである。名称を変更する場合のデメリットとしてはレズビアン&ゲイから疎遠になることが考えられるし、現状の名称を維持する場合は、レズビアン&ゲイ以外のセクシュアリティの参加者が阻害感を持つという点が挙げられる。
フロアB:
名称を維持する場合のメリットとして、営業面の問題や沿道へのアピール力などが指摘されているが、「レインボー」を名称に掲げる札幌や大阪と比べた検証というものは行なっているのか?
中田:
現時点で、具体的な検証は行なっていない。現時点で、広告営業は人間関係を中心に展開しているのが現状だ。今回お寄せいただく多様なご意見を集約することで、そうした第一歩にしたいと考えている。
フロアA:
レズビアン&ゲイと言っていない他のパレードでは、広告などが取りにくいということが実際にあるのかどうか。札幌の第1回目のパレードでは、ウーマンリブの運動や障害者の運動にも声をかけていた。そして現在、札幌のパレードは
市民にも受け入れられ、年中行事のようになっている。このように、月日をかけることで定着するのであれば、変えた方が良いのではないか。
また、札幌のパレードは大きく報道されるが、東京のパレードはなかなか報道されない。名前をプライドにするにしても、レズビアン&ゲイにするにしても、どう外に発信していくかという第三者へのアピールが重要。しつこいくらい、「レズビアンです」「ゲイです」「バイセクシュアルです」というプラカードを全員にもたせるくらいにするなど考えても良いのではないか。華やかなお祭りの側面を否定するつもりは無いが、社会的メッセージを強く打ち出す方法を考えるべきではないかと思う。
福永:
第1回目の札幌パレードで実行委員をしていたので補足するが、その当時、パレード運営メンバーに障害者の方々へのボランティアしている人が居たので、障害者団体の方々にも声をかけさせていただいた。運営側としては「マイノリティどうしの協力・連帯」というものを意識していた。
中田:
我々はパレードという「場」を提供しているという立場でやってきたので、統一感がないとか、そういう問題も出てきている。これまでは、何を伝えようとするかは参加者一人一人に委ねるという方針だった。ただし、「パレードとはこうでなくてはならない」とは考えていない。
名称問題に限らず、ご意見をいただいていく中で、それらを参考にして進めていこうと思う。「全体として」「大局的に見て」どうこうということではなく、「私はこう思う」というたくさんのご意見をうかがいたい。
フロアC:
自分の考えでいうと、パレードはセクシュアルマイノリティ全体を指す名前になればいいなと思っている。それは、自分自身がそういう仲間意識を持っているというところからきているので。また必ずしも、性的少数者に限らなければならないということもないと思う。ただ、それが必ずしも正しいというわけではないけれど。
東京のパレードについては、「トランスジェンダーの人だから来てはいけない」と思っている人はいないけれど、名称としてはレズビアン&ゲイを掲げているという、中間的な状況かと思う。名称を変えた方がより整合性は取れると思う。しかし、mixiなどを見ると、名称を変えるのに反対という人も根強いようだ。その理由はよく分からないところもあるが、現状で変えるのは難しいのかもしれない。理想としては、みんなが名称を変えたいという状況で変えるのが良いと思う。具体的にはトランスセクシュアルやバイセクシュアルの参加者がプラカードやフロートなどで存在感をアピールし、「名称を変えても良い」という雰囲気を醸成した上で変更すべきではないかと考える。
フロアB:
自分はレズビアン&ゲイという自認はもっていない。「私はバイセクシュアルです」「私はトランスジェンダーです」という先導車のアナウンスがある中で、名称をTLGPにする必要性が分からない。名称を決める時期や方法はどうなっているのか?
中田:
過去において名称は、その年の実行委員会が組織されてから決められていた。先ほども説明した通り、来年のパレードでは、TOKYO Prideの理事会が実行委員長の役割を果たすので、TOKYO Prideとして皆さんのご意見をうかがう、こうした機会を設けた次第である。
また、セクシュアルマイノリティについて全く予備知識のない沿道の人に対しても引っかかりがあるように、より分かりやすい同性愛者(=レズビアン&ゲイ)を名称に冠しているという現状もあると思う。
フロアB:
結局、沿道の人間がレズビアン&ゲイについて分かるようになっても、セクシュアルマイノリティ全体に対しての定着がはかられないのであれば、やはり名称は変えるべきではないか?
中田:
「頑として名称を変えない運営サイド」ということではない。TOKYO Prideの設立以降、公式に寄せられたパレード名称への意見というのは、1件しかないという事実がある。そこだけは誤解を持たないようにしていただきたい(理事会より注:その後確認した結果、名称についてはもう1件ご意見を承っており、「名称問題は今後継続審議してまいります」とご返答しておりました)。
野宮:
確かに今までは、「レズビアン&ゲイ」という名称が、決める側にフィットするという実状はあった。今後は、今回のような機会を継続的に設け、様々な意見を聞きながら検討を続けることになると思う。
フロアD:
自分自身はトランスジェンダーだが変えなくてもいいのではないかと思う。外に言うときに、「レズビアン&ゲイ」と言った方が、アピール度は高いと思う。パレードは「理解してもらう」というのが目的ではないか。また、パレードは継続していくことがいちばん大きな問題だと思う。運営のコアになる人の必要性を考えると、人数的にはレズビアン&ゲイではないか。実際に汗をかく人がコアにならないと、パレードの継続は難しいのではないか?トランスジェンダーの人が阻害されている実感が私にはあまりないし、現状の名称だから参加できないという声も周囲からは聞かない。
フロアA:
私が名称を変えた方がよいと思ったのは、わたし自身はレズビアンだが、今年、あるマイノリティのイベントに参加したときに、「マイノリティ」という言葉は「セクシュアルマイノリティ」に限るものではないことに気づいたからだ。今まで、マイノリティには「セクシュアル」という言葉しかつかないと思っていた。しかし、実際には様々な層のマイノリティが存在する。その認識を新たにする上で、私は「セクシュアルマイノリティ」という名称が良いのではないかと思う。ただし、それでお金がもらえないようだったらL&Gで行くべき。お金は大事。
フロアE(砂川):
名称については、私自身は揺れていて、今でも半々。祭りとして楽しみたいという人には、おそらく名称はどちらでもいいだろう。しかし、運動という点から見ると、名称を変えることは、その運動の方向性を変えることを意味するので、そのことを十分に意識して、議論し、決定する必要があると思う。
「ゲイ/レズビアン」という名前をつけることは、そのアイデンティティを引き受け、提示することを意味する。しかし、例えば「レインボー」としたときには、そのような意味がなくなり、「アイデンティティの区分はいらない、みんなそれぞれで多様」という意味合いになる。どちらか一方が、絶対に正しい戦略とは言えないのでどちらを選択するかが難しい。
現在、レズビアン、ゲイという言葉をマスメディアなどが使いたがらないという大きな問題がある。「レインボー」といった言葉だと、「レズビアン&ゲイ」という言葉を使いたがらない人に受け入れられやすくなる側面もあるが、そのような形で受け入れられることに、それでいいのかと、疑問も残る。例えば札幌でも、市長は「性同一性障害など性的少数者」という言い方しかしない。しかし、逆に考えれば、「レインボー」などの曖昧な言葉にすることによって公的な協力も得られやすくするという戦略もありえる。
その一方、そういう現状に抵抗するために「レズビアン&ゲイ」という言葉を突きつけていく必要性があるという考え方もでき、とても難しい。よく海外と比較になるが、日本と違って十分にパレードが認知され理解されている背景がある。
一方で、プライドマーチという名称を掲げていても、ニュースを含め、一般的に「ゲイプライドマーチ」と呼ばれたりもする。
パレードをとりまく環境が異なるので、一概には比較できない。
フロアF:
名前がどうであれ、何をアピールするパレードなのか、そのアピール方法がよく分からない。「色々な人がいて、それでいいんだ」というアピールをしてほしい。地方の参加者がプラカードを作ってくるのは大変だが、実行委員会でホワイトボードとペンを準備し、参加者にメッセージを書いていただくのはどうか?
野宮:
過去に一度、実行委員会側がプラカードを準備したことがある。ゴミなどの問題で、その後は実施されていないと思われる。2007年度の実務上の判断にもよるが、今いただいたアイディアは選択肢になり得ると思う。
フロアG:
自分はトランスジェンダーだが、難しい問題だということはわかった。昨年参加するきっかけの大もとは、友達がほしかったということだ。どちらかというと、自分のために参加して活動している。名称に当たってはレズビアン&ゲイの歴史的な経緯を大事にしなければならない。歴史の流れを検証して、現状がはっきりされれば議論できるのではないかと思う。個人的に名称にはあまりこだわりはない。みんなで仲良く、一緒にということを見てもらえれば良いのかなと思う。
フロアC:
プラカードは自分で使いたい人が用意すべきだと思う。「パレード=場」である。プラカードを使いたい人が少ないからやらないという現状ではないか。
フロアD:
個人的に、同性愛者・両性愛者は全然マイノリティではないと思う。マイノリティという言葉には違和感がある。
フロアB:
パレードの名称はどこで決まるのか。
中田:
来年のパレードについて言えば、実行委員長の役割を果たすのがTOKYO Pride理事会なので、TOKYO Pride理事会が最終決定権者となる。「では、理事はどのように決めるのか?」という話になると思うので、今後は理事の選挙制度などを整備していく。
福永:
名称についての意見は、ホームページでも募集する。現在、TOKYO Pride のホームページに、お問い合わせフォームが設定されている。フォームの一番上のお問い合わせ内容に、「パレードの名称について」というプルダウンを設定する予定なので、そこからご意見を投稿してほしい。
これから1週間をメドに、本日の説明会のサマリーをTOKYO Prideのホームページにて公開する。また、最初に説明があったとおり、実行委員公募については12月1日にホームページにて公示する。
それでは、今回の説明会はこれで閉会となります。