東京プライドによる都知事候補アンケート <全文>

東京都知事候補

                       殿

東京プライド理事会

 謹啓 
 時下、ますますご清祥のこととお喜び申しあげます。
 本日は、このたび東京都知事選挙に立候補された候補者のみなさまに、お手紙を差し上げました。

 まず始めに、私どもは「東京プライド/TOKYO Pride」と申しまして、「性的少数者への差別、偏見をなくし、正しい知識と理解を広め、性的少数者が生きやすい社会の実現を目指すこと」(東京プライド会則)を目的とする非営利団体でございます。
 性的少数者とは、大きくはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなど、一般にその頭文字をとってLGBTと呼ばれる人びとを指します。
 LGBTと呼ばれる人びとのうち、同性愛者だけでも、人口のおよそ3パーセントとも、5パーセントとも、また10パーセント存在するとも言われています。東京都の場合、3パーセントとしても、およそ36万人のレズビアン、ゲイがここ東京に生活していることになります。

 私ども東京プライドの主要な事業としては、毎夏、代々木公園を会場・出発点に、渋谷、原宿の繁華街を一巡する「東京プライドパレード」(旧称:東京レズビアン&ゲイパレード)を開催しております。登録歩行者2000人強、これに会場や沿道からの参加者等をあわせて4000人の規模で行なわれる、国内LGBTイベントとしては最大のものでございます。
 2000年の開始より、若干の休止期をはさんで、今年は通算で第6回を数えます。
 このほか、目下、男性同性愛者らに顕著な健康問題であるHIV感染症の広がりについて、厚生労働省や東京都福祉保健局のエイズ対策ご担当などとも連携をとりつつ活動につとめています。
 なお、弊会ならびに東京プライドパレードについては、ウェブサイトがございますので、ご高覧いただければさいわいです。
  東京プライド http://www.tokyo-pride.org/index.html
  東京プライドパレード http://parade.tokyo-pride.org/6th/

 東京プライド理事会では、このたび東京都知事選挙に立候補された候補者のみなさまに、私ども性的少数者への認識をおうかがいし、もって投票の参考とするために、書面での問いかけでまことに不しつけとは存じますが、下記のような質問をさせていただくことにいたしました。
 はなはだご多忙とは思いますが、以下の質問用紙にお答えのうえ、3月31日までに、末尾のファックス番号か、弊会の住所までご郵送くださいませ。(このページからあとの3枚をお送りくださればけっこうです。お名前欄は末尾にございます。なお、控えのコピーをお取りいただくようお願い申しあげます。)
 いただいたご回答は、ご回答の有無をふくめて、東京プライドのウェブサイトで公表するとともに、投票日までに弊会の登録会員に紹介する予定でございます。
 どうぞよろしくお願い申しあげます。
 末尾ながら、貴台の本選挙戦におけるご健勝をお祈り申しあげます。敬具



1 東京プライドパレードについて
 性的少数者のパレードは現在、私ども東京プライドが主宰するパレードのほかに、大規模なものとしては「関西レインボーパレード」と「レインボーマーチin札幌」が実施されています。前者には大阪府知事と大阪市長がメッセージを寄せ、後者には北海道知事と札幌市長がメッセージを寄せ、さらに札幌市長はパレード後の集会に参加してスピーチするのが恒例になっています。
 貴台が都知事に当選された場合、東京プライドパレードに対してどのようなことができますでしょうか。検討が可能だと思われることをお知らせください。(□にチェックをしていただければけっこうです。複数選択可。以下、同)

 □東京プライド理事会やパレード実行委員会のメンバーらが、知事と面会する
 □パレードにたいしてメッセージを寄せる
 □パレードの集会に参加する
 □パレードをいっしょに歩く
 □東京都として後援をする(具体例:               )
 □東京都として助成をする(具体例:               )
 □その他(                           )
 □なにも行なうことはない

2 同性パートナーシップについて
 現在、日本では法的に結婚した男女しか「家族」と見なされず、民法をはじめ、税法、公営住宅法など諸法規も、男女のパートナーシップ以外を想定していなかったり、排除しています。しかし、国にかかわる法律を変えなくても、自治体レベルで同性パートナーシップを保障することが可能な場面があります。大阪府は、大阪府住宅供給公社の賃貸住宅にハウスシェアリング制度(非親族同士の入居を認める)を導入し、同性カップルにも門戸を開きました(府営住宅は公営住宅法の要件により、同性カップルの入居は不可)。また大阪府立病院では同性のパートナーを面会や看護から排除しないことを、担当者が府議会で答弁しました。
 貴台が都知事に当選された場合、同性パートナーシップの保障について、検討が可能だと思われることをお知らせください。

 □同性パートナーシップの当事者らが、知事と面会する
 □東京都住宅供給公社の賃貸住宅の募集において、同性カップルの申し込みを受け付ける
 □都立病院での面会や看護において同性パートナーを排除しないことを、都議会などで明言する
 □東京都職員の同性パートナーに対して、異性の配偶者と同等の権利を認める
 □その他(                           )
 □なにも行なうことはない

3 性的少数者の人権推進について
 東京都は2000年11月に策定した都の人権施策推進指針において、「性同一性障害のある人々などに対する偏見があり、嫌がらせや侮べつ的な言動、雇用面における制限や差別、性の区分を前提にした社会生活上の制約などの問題があります。また、近年、同性愛者をめぐって、さまざまな問題が提起されています」(第1部第2章の2の(2)、東京における人権問題の状況)という認識を表明しています。
 3-1 上記指針には「同性愛者をめぐって、さまざまな問題が提起されています」とのみ記されています。貴台は同性愛者をめぐってはどのような問題があると認識されていますでしょうか。ご随意にご記入いただければさいわいです。
 (                               )
 3-2 貴台が都知事に当選された場合、上記指針の認識にもとづき、性同一性しょうがいのある人々や同性愛者の人権推進について検討が可能だと思われることをお知らせください。

 □性同一性しょうがいのある人々や同性愛者が、知事と面会する
 □性同一性しょうがいのある人々や同性愛者が、東京都人権部などと定期的な面会の機会をもつ
 □東京都の職員に対して、性同一性しょうがいのある人々や同性愛者による研修の機会をもつ
 □東京都の職員が、職場において性同一性しょうがいや同性愛者であることを理由に差別されないことを条例、指針、あるいは通知などの形で明文化する
 □都民に向けた性同一性しょうがいのある人々や同性愛者についての啓発事業(都報、ポスター、講演会など)を行なう
 □その他(                           )
 □なにも行なうことはない

4 学校教育と性的少数者について
 性的少数者であることは、思春期のころにその自覚があると言われています。つまり、学校に学ぶ生徒たちのなかにも性的少数者がいるということです。性的少数者の生徒たちは、その多くが教師や級友からの無理解や偏見にさらされ、孤立のなかにあります。その意味でも、性的少数者についての知識や理解を学ぶ性教育や人権教育は重要です。
 貴台が都知事に当選された場合、学校教育と性的少数者について検討が可能だと思われることをお知らせください。

 □若い性的少数者やその支援者が、知事と面会する
 □若い性的少数者やその支援者が、教育委員会や教育庁の当局者と面会する
 □東京都の教員に対して、性的少数者や教室のなかの性的少数者について理解する研修の機会をもつ
 □性的少数者についての教師向け指導書を制作して配付する
 □性的少数者についての生徒向け副読本を製作して配付する
 □性的少数者向けのサポート団体や電話相談などの情報を盛り込んだポスターを学校に掲示する
 □その他(                           )
 □なにも行なうことはない

5 HIV感染症/エイズについて
 東京の新規のHIV感染者/エイズ発症者の報告数は過去最高を更新しつづけています。しかも、そのうちの半数以上が男性同性間の性行為による感染です。国のエイズ予防指針(1999年10月厚生省告示)でも個別施策層として「性的指向の側面で配慮の必要な同性愛者」があげられていますが、それを実施する自治体レベルで男性同性愛者の感染予防対策にきちんと予算が計上されていません。行政の無作為によって、男性同性愛者らの健康が脅かされている現実があると考えられます。
 貴台が都知事に当選された場合、エイズ対策について検討が可能だと思われることをお知らせください。

 □男性同性間の性交渉によって感染したHIV陽性者やエイズNGOの活動者が、知事と面会する
 □男性同性間の性交渉による感染予防対策に特化した予算措置を講じる(現在、その名目での予算措置は無い)
 □厚労省が、男性同性間の性交渉による感染予防対策などのために新宿二丁目に設置したエイズ啓発スペースakta(アクタ)を、知事が視察する
 □その他(                           )
 □なにも行なうことはない

6 終わりに
 上記設問以外についても、貴台の性的少数者へのご認識があれば、ご随意にお聞かせいただければさいわいです。
 (                               )

 東京プライド 都知事候補者アンケート
 ファックス返送先番号
 03-××××-××××
 回答ご返送期限 3月31日

 【参考】
 東京都人権施策推進指針
  http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/SHOUSAI/70ABL100.HTM#A

 エイズ 予防指針
  http://www1.mhlw.go.jp/topics/kansensyou/tp1116-1_11.html